
今回は、ネットショップに出店する際に必要になる、資格・免許・認可についてまとめてみました。これから、ネットショップ開業を検討している方は、ぜひコチラの記事を参考にしてみてください。
食品のネット販売(お菓子、惣菜、めん類など)
二次加工した食品を販売するには資格と認可が必要です

インターネットで自家製のパンやスープなどの食べ物や飲み物を販売する際には、食品衛生責任者の資格と、食品衛生法に基づく営業許可、各都道府県の食品に関する条例の申請ないし届け出の3つを確認してください。
食品衛生責任者の資格(問い合わせ先:食品衛生協会)
食品の製造や販売に必要な資格です。飲食店を営んでいる方が、ネット販売を始める場合には既に所持しているはずなので必要ありません。
資格取得は、定期的に地域の食品衛生協会が開催している「食品衛生責任者養成講習(6時間)」を受講するだけで取得できます。
受講資格は、17歳以上(※自治体によっては高校生は不可)、受講料金は地域で異なりますが10,000円前後です。資格に有効期限はありません。
食品衛生法に基づく営業許可(問い合わせ先:所轄保健所)
町やネットで、食材を調理、製造、販売するために必要な営業許可のことです。食品でも缶詰などを仕入れて販売する場合には認可は必要ありません。
認可が必要なもの
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認可が不要なもの
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手作りのケーキ、おせち料理、お菓子、ジャム、ジュース、漬物。生魚、干物、燻製。牛乳、チーズ、バターなど。 | 缶詰、スナック菓子、果物、ジュース、健康食品、※仕入れでパッケージ化されたものは不要です。 |
食品衛生法施行で定める営業認可は全34業種(※下記参照)品目や調理法にあわせた認可を取得しなくてはいけません。
分類 |
営業許可業種 |
調理業 |
飲食店営業、喫茶店営業 |
製造業 |
菓子製造業、あん類製造業、アイスクリーム類製造業、乳製品製造業、清涼飲料水製造業、乳酸菌飲料製造業、氷雪製造業、食用油脂製造業、マーガリンショートニング製造業、みそ製造業、しょう油製造業、ソース類製造業、酒類製造業、豆腐製造業、納豆製造業、 めん類製造業、そうざい製造業、缶詰又は瓶詰食品製造業、添加物製造業 |
処理業 |
乳処理業、特別牛乳搾取処理業、集乳業、乳類販売業、食肉処理業、食肉販売業、食肉製品製造業、食品の放射線照射業 |
販売業 |
魚介類販売業、魚介類せり売営業、魚肉ねり製品製造業、食品の冷凍又は冷蔵業、氷雪販売業 |
詳細はこちら:営業許可制度の現状について(厚生労働省HP)
すでに飲食店を経営している方が、ネットで販売をはじめる際には、販売ではなくて製造に関連する営業許可証が別に必要になります。
調理設備は住居と区画して設置が条件なので、一般家庭のキッチンなどでは基本的に認可はおりません。必ず工事をする前に保健所に相談しましょう。
各都道府県の条例認可(問い合わせ先:所轄保健所)
各都道府県でも、食品に関する条例で認可ないし届け出が必要な場合があります。東京都を例にあげると「つけ物、菓子、粉末食品」などの品目が該当します。

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酒類のネット販売(日本酒・ワイン・ビールなど)
店頭販売とは違う免許が必要になります
街のお店で酒類を販売する際には「一般酒類小売業免許」、ネットショップで酒類を販売する際には「通信販売酒類小売業免許」という別の免許が必要になります。
一般酒類小売業免許(問い合わせ先:所轄税務署)
酒類を店頭販売するために必要な免許です。この免許で通信販売はできません。原則として、全ての品目の酒類が販売することができます。
通信販売酒類小売業免許(問い合わせ先:所轄税務署)
酒類を通信販売(ネット通販)するための免許です。販売できる品目は輸入酒と比較的小さい国内酒造メーカー(課税移出数量3000キロリットル未満)が作ったお酒という制限があるため、大手ビールメーカーの商品などは販売できません。
大手ビールメーカーの商品が販売できるからくり。
インターネットで大手ビールメーカーの商品も販売されていると思わる方もいるかもしれませんが、それは1989年以前の「店頭」も「通販」も区別がない免許を取得しているケースで、その免許であれば品目の制限もなく販売することができます。
Amazonの場合には、2014年に過去に酒類を販売して25年間休眠していたお店を買収して、本来手に入らない免許を取得することで販売を実現しています。

中古品のネット販売(衣類、おもちゃ、電化製品など)
商売としての取引には古物商許可証が必要です

ネット売買に限らず、商売として中古品を買取して販売するには「古物商許可証(通称:古物商)」の免許が必要です。古物商は、主に盗品の転売を防ぐことを目的としたものなので、新品の委託販売・レンタルなどには必要ありません。
メルカリの取引に古物商許可証は必要なの?
個人が利用した品物を処分する目的で取引するのであれば古物商は不要です。事業として売買しているなら「メルカリ」でも古物商は必要です。
古物商許可証(問い合わせ先:所轄警察署)
古物商は、所轄警察署にて申請すれば原則的には取得できます。講習や試験などはなくて、基本的な要件さえクリアできていれば発行されます。
年齢制限はありませんが、未成年ではきびしいと言われています。原則的には、更新、有効期限もありませんが、お店を移転した場合には変更手続きが必要です。
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未成年でも古物商を取る方法|ユウケン
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補足:未成年の方で古物商免許を取得したという記事を見つけました。要約すると、期間は3ヶ月、未成年登記簿などの作成に15万円ほど費用が掛かったそうです。

費用は、住民票の写しと収入印紙代をあわせて大体2万円くらいです。申請から取得まで約40日程度はかかると考えておきましょう。
申請する際には、全13種類の品目(美術品類、衣類、宝石・宝飾品類、自動車など)から品目を選択して登録します。

医薬品・化粧品のネット販売
実際に店舗のある販売業者に限る
インターネットで医薬品を販売するには、実際の店舗を有する、薬局・薬店の許可をもった販売業者であることが条件となります。
ネットショプのトップページに店舗の名称を表示、実店舗の写真を掲載するなど販売サイトでのルールもいくつかあり、購入者に対して情報提供内容を理解した旨の確認なども必要になります。
詳しくは政府広報オンラインの「医薬品のネット販売を安心して利用するために」がわかりやすいので確認してみてください。
医療機器のネット販売(コンタクトレンズなど)
医薬品医療機器等法に定められた認可が必要です
医療機器を販売する際には「略称:医薬品医療機器等法(旧:薬事法)」に定められた許可が必要です。この法律により「高度管理医療機器」及び「特定保守管理医療機器」の許可がないと販売等が行えません。
たとえばコンタクトレンズなどは「高度管理医療機器」に該当するため、ネットショップで販売する際には「高度管理医療機器等販売業」の許可番号の提示が必要になります。医療機器の分類などは保健局にてご確認ください。
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動物(ペット)のネット販売
哺乳類(犬、猫など)と爬虫類などはネット販売できません
店舗・ネットに関係なく動物の販売をする際には「動物取扱業」として、業種毎・事業所毎に都道府県知事又は指定都市からの認可が必要です。
ネットショップで販売できる動物の種類には規制があり、2013年9月1日より動物愛護管理法の改正により哺乳類(犬、猫など)と爬虫類などは対面販売が義務化されているのでネット通販はできません。
- 問い合わせ先:各都道府県保健局

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今回のまとめ

今回は、ネットショップに出店する際に必要になる、資格・免許・認可についてまとめてみました。
法律や地域の条例などのほかにも、EC事業者が出品を禁止している商材などもあるので、開店前に確認してみてください。
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最後まで読んで頂きありがとうございました。
また新しい情報などあれば更新していきます。