
今回は、インターネットで利用できるモール型のECサイト(楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング、au Payモールなど)についてまとめてみました。
このページを読んでいただければ、各サービスの特徴から料金まで重要なポイントを比較しながら確認することができます。ぜひ、参考にしてみてください。
基礎知識
モール型ECサイトとは

モール型ECサイトとは、一つのサイトに複数のネットショップが出店する形態のことです。ネットモール、オンライモールなど、いろいろな呼び方があります。
とくに会員数の多い4つのサービスに注目しよう。
4つのサービスとは、楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング、auPAYモールです。楽天市場、Amazonは、年商2兆円をこえる、国内最大級のマーケットです。


それに続くのが、Yahoo!ショッピングです。PayPayと連携して会員数を伸ばしています。最後はauですが、こちらは携帯事業者として知名度に期待しましょう。
モール会員はモール以外で買い物をしない。
長年ECを運営してきた経験上、楽天会員は楽天、Amazon会員はAmazonで買い物をし続けるユーザーが多いです。これは、ポイントや特典なども影響しています。
つまり、モールに出店しなければ商売はできない。
つまり、モールで買い物をしているユーザーに商品を買ってもらうには、モールに出店するのが最適です。外部から訴求できるほど甘くありません。
自社ECに出店した時点で、楽天市場、Amazonをメインで買い物をしているユーザーは諦めたほうがいいです。自社ECは、SNSや検索エンジン向けのお店です。
楽天市場から自社ECへの誘導は難しい。
楽天市場から自社ECに移転した場合。自社ECに顧客を誘導できるのは、自社ブランド品を販売しているお店だけです。楽天で買えるなら、楽天から出ません。

モール型ECサイト比較
4大モールを比較してみました
事業規模を比較
名称
|
売上高
|
出店数
|
5兆円以上(2021)
楽天トラベル等含めて
|
5万6千以上(2021)
|
|
2.5兆円(2021)
|
17.8万店舗(2015)
|
|
8,519億円(2019)
|
87万店舗(2019)
|
|
推測1,287億円(2019)
|
1.5万店舗(2019)
|
同じタイミングで、公式サイトが正確な数値を報告しているわけではありません。あくまでも参考値ですが、各サービスの事業規模は知ることができます。
料金を比較
名称
|
初期費用
|
月額費用
|
月商100万円
販売時の費用 |
60,000円
|
50,000円
|
10.4%
|
|
無料
|
4,900円
|
8%~15%
|
|
無料
|
無料
|
5.6%
|
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無料
|
4,800円
|
10%
|
楽天市場:スタンダードプラン(客単価3,000円)、Amazon:大口出店プラン、au Payマーケット:コミコミ出店プラン(アフィリエイト含まず)の試算結果です。

注目ポイント
確認しておきたい5つの事柄
Amazonのみ出店ではなく出品です
Amazonは、出店ではなく出品です。モールにお店を開くというよりも、Amazonに商品を置いてもらうイメージだと考えてください。
楽天市場は、出品ではなくて出店です。店舗もデザインして総合的にプロデュースすることで、お店の名前も売ることができます。
- 出品・・・手軽だがお店のブランド化には向いていない。
- 出店・・・手間は掛かるがお店をブランド化できる。
集客力が高いのはAmazonと楽天市場です。

上画像は、2020年4月における、ニールセンのオンラインショッピングのサービス利用状況を調査したデータです。 参照元
1位のAmazon、2位の楽天市場、いずれも1ヶ月の利用者数が5,000万人以上。大きく差をあけて、Yahooショッピングがつづくような状況にあります。
料金が安いのはYahooショッピングです
Yahoo!ショッピングは、初期費用、固定費、売上ロイヤリティ無料です。楽天、Amazon、auよりも、料金だけで比較すると圧倒的にお得です。
売上に対してライバルが少ないのは楽天市場です
Yahoo!ショッピングは、出店無料のため参入障壁は低いと考えていいでしょう。売上高8,519億円に対して、87万店舗の出店数があると言われています。
一方、楽天市場は、売上高3兆円に対して、出店数はわずか5万店舗ほどしかありません。検索上位に入るためのハードルは、楽天市場の方が低いと言えそうですね。

自社ECにはAmazonPAYを優先的に導入しよう
AmazonPAY、楽天ペイ、などのオンライン決済は、自社ECでも導入できます。この二つの決済で、優先的に導入するべきは「AmazonPAY」です。
理由はシンプルに「AmazonPAY」の方が利用されるからです。どちらも会員数は大差ありませんが、Amazon会員の方がAmazon以外で買い物をしてくれます。


各サービスを解説
楽天市場

総会員数1億人以上の巨大モール。
楽天の会員数は1億人をこえています。楽天カード、楽天ペイ、楽天モバイルなど、普段の生活で獲得したポイントの使いみちとしての利用にも期待ができます。
食品・産直品のマーケットシェアは”38.9%”を誇る。
マーケットの信頼感を図る指標として使えるのが「食品の売れ行き」です。名前も知らない、はじめてみたお店では食品は買いませんよね。
楽天市場は、ネット通販全体における”38.9%”のシェアを獲得しているという調査結果があります。※通販・eコマースビジネスの実態と今後2021より。
楽天市場出店の基本情報
サービス名称
|
楽天市場 |
運営事業者
|
楽天株式会社 |
売上高(参考値) |
5兆円以上(2021)楽天トラベル等含めて 参照元 |
出店数(参考値) |
5万6千以上(2021) 参照元 |
物流倉庫・発送代行 |
|
ドロップシッピング運用 |
可能 |
外部リンク |
不可 |
楽天市場出店の料金
固定費
初期費用
|
60,000円 |
月額費用
|
がんばれプラン!:19,500円 スタンダードプラン:50,000円 メガショッププラン:100,000円 |
プランについて
月商140万円以上でスタンダードプラン推奨です。メガショップは、商品数と画像容量が無制限になります。詳細はこちら:楽天市場の出店プラン(公式)
販売時に掛かる費用割合(月商100万円の場合)
合計 |
10.4% |
内訳 |
システム利用料、ポイント原資、アフィリエイト利用料、楽天ペイ利用料(決済手数料)を含める。 |
参照元 |
条件
プラン:スタンダードプラン、月商:100万円、客単価:3,000円、ジャンル:ファッションでの試算結果です。

売上が伸びれば販売費用の割合は減る。
上の条件に加えて、スタンダードプランの月額固定費(50,000)を足して、さらに売上を伸ばした場合の試算値になります。売上に応じて、費用の割合は減ります。
- 月商50万円・・・20.4%
- 月商100万円・・・15.4%
- 月商300万円・・・10.0%
- 月商500万円・・・9.7%
- 月商1,000万円・・・9.4%
- 月商5,000万円・・・8.9%
- 月商1億円・・・8.7%

楽天市場出店はこんな方におすすめ
- とにかく短期間で結果を出したい方。
- お店をブランド化して認知度をあげたい方。
- 食品や高級品など信頼感が必要な商材を販売する方。

-
-
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Amazon出品サービス

国内最大級の利用者数を誇るサービス。
Amazonの月間ユニークビジター数は、デスクトップは約1,326万人、モバイルは約4,306万人という推計が報告されています。※2021年1月時点。
他社モールよりも1番手軽で簡単に販売することができる。
他社モールと比較しても1番手軽で簡単に販売ができます。FBAを利用すれば、商品の保存から注文処理、配送、返品まで代行してもらうことも可能です。
Amazon出品サービスの基本情報
サービス名称
|
Amazon出品サービス |
運営事業者
|
アマゾンジャパン合同会社 |
売上高(参考値) |
2.5兆円(2021) 参照元 |
出店数(参考値) |
17.8万店舗(2015) 参照元 |
物流倉庫・発送代行 |
|
ドロップシッピング運用 |
不可 |
外部リンク |
不可 |
Amazon出品サービスの料金
固定費
初期費用
|
無料 |
月額費用
|
小口出品プラン:無料 大口出品プラン:4,900円 |
プランについて
料金プランは、小口出品プラン、大口出品プランの二種類あります。毎月50点以上の商品を販売する方には、大口出品プランが推奨されいます。
販売時に掛かる費用
小口出品プラン
|
大口出品プラン
|
|
基本成約料
|
商品ごとに100円
|
0円
|
販売手数料
|
8%~15%
|
Amazon出品に関する注目サービス
グッズステーション

Amazonの人気商品を仕入れできるサービス。
「グッズステーション」とは、Amazonなどで販売されている人気のある商品を、独自のルートで調査して卸販売している、インターネット仕入れサイトです。
初回のお取引のユーザー限定にて、Amazonの人気商品を最大10個まで”無料提供”してくれるサービスも展開。興味のある方は、ぜひチェックしてみてください。

「アマゾンクリエイト」商品ページの作成代行サービスも好評。
また、同社ではAmazonの商品ページに特化した制作代行サービスも提供。業界最安値帯にて、高品質なデザイン、SEO対策された商品ページが提供されています。

Amazon出品サービスはこんな方におすすめ
- お手軽にモールでの販売をはじめたい方。
- お店としてのブランディングが不要な方。
- Amazonの物流サービス(FBA)を利用したい方。

Yahoo!ショッピング

初期費用・固定費無料で出店できる。
Yahoo!ショッピングは、初期費用、固定費、売上ロイヤリティ、全て無料です。売れたときに、決済手数料、ポイント、アフィリエイの費用が発生します。
Yahoo!ショッピングはPayPayモールと統合しました。
PayPayモールとは、2019年に追加された、厳選されたショップだけを対象にしたモールです。こちらも、Yahooショッピングの検索結果に表示されていました。
2022年10月に、Yahoo!ショッピングと統合されました。これにより、Yahooショッピングの回遊性のアップなども期待されています。 公式アナウンス
Yahooショッピングの基本情報
サービス名称
|
Yahooショッピング |
運営事業者
|
ヤフー株式会社 |
売上高(参考値) |
8,519億円(2019) 参照元 |
出店数(参考値) |
87万店舗(2019) 参照元 |
物流倉庫・発送代行 |
- |
ドロップシッピング運用 |
可能 |
外部リンク |
可能 |
Yahooショッピングの料金
固定費
初期費用
|
無料 |
月額費用
|
無料 |
プランについて
プランは一つだけです。過去には「ライト出店」というプランもありましたが、現在は「プロフェッショナル出店」に統合されました。
販売時に掛かる費用割合
合計 |
5.6% |
内訳 |
ストアポイント原資、キャンペーン原資、アフィリエイト報酬・手数料、決済手数料、を含める。 |
参照元 |
条件
月商100万円での試算結果です。

makeshop経由でも手数料11%で出品できる。
国内最大の流通総額をほこるネットショップ作成サービス「makeshop」経由での出品も可能です。売れた場合にのみ、11%の手数料が差し引きされて入金されます。
-
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【本当に多機能!?】makeshopを徹底解説[基本性能・手数料・実際に感じたメリット・評価など]
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Yahoo!ショッピング出店はこんな方におすすめ
- 初期費用をおさえて出店したい方。
- ソフトバンク及びPayPayに関する商圏に参加したい方。
- すでに他社モールで実績をあげている店舗の方。

au PAY マーケット(旧:au Wowma!)

au会員にアプローチすることができる。
auグループが運営するマーケットです。2020年5月に「au Wowma!」から「au マーケット」に名称を変更して現在に至ります。
他社モールの商品データ(CSV)を一括登録できる。
楽天市場、Yahoo!ショッピグ、などで登録されている商品データ(CSV)を変換して、一括登録できるツールの提供があります。
au PAY マーケット出店の基本情報
サービス名称
|
au PAY マーケット |
運営事業者
|
auコマース&ライフ株式会社 |
売上高(参考値) |
推測1,287億円(2019) 参照元 |
出店数(参考値) |
1.5万店舗(2019) 参照元 |
物流倉庫・発送代行 |
- |
ドロップシッピング運用 |
可能 |
外部リンク |
不可 |
au PAY マーケット出店の料金
固定費
初期費用
|
無料 |
月額費用
|
プラン共通:4,800円 |
プランについて
コミコミ出店プラン、シンプル出店プランの二つあります。コミコミは株式会社ペイジェントの決済手数料も含まれたプランで推奨されています。
販売時に掛かる費用割合(月商100万円の場合)
合計 |
10% |
内訳 |
成約手数料(決済手数料)、ポイント手数料が含まれます。※アフィリエイト報酬は含まれていません。 |
参照元 |
条件
プラン:コミコミ出店プラン、月商:100万円、ジャンル:レディースファッション、送料:0円での試算結果です。
2020年10月にアフィリエイト報酬が変更されました。
売上計算シミュレーション値に含まれないので注意してください。

2020年10月1日より、これまで通常1%だったアフィリエイト料率が、商品ジャンルごとに2%~8%に変更されました。それなりに、大きな負担になるので要確認です。
au Payマーケットはこんな方におすすめ
- au会員にアプローチをしたい方。
- すでに他社モールで実績のある方。
- 競合する店舗が少ない商材を販売する方。

今回のまとめ

今回は、インターネットにあるモール型のECサイト(楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング、au Payモールなど)についてまとめてみました。
どこに出店するのがオススメですか?
食品に関しては、インターネット通販で約4割のシェアを占める「楽天市場」を推奨します。見た目だけで判断つかない商材はマーケットの信頼感が求められます。
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